弁当いただきま〜す。

海は時化てます。

時化

　このところ時々、私は精神的に不安定な状態になっている事を自覚することがある。それはイラクや北朝鮮に関するニュースに接した時にである。強大な軍事力を背景にしたアメリカの一方的で独善的な振る舞いに対する憎悪と、しかしそれを押し止められずにいる私の＜無力性＞との間の現実的な乖離が、時に私をひどく苛立たせるのだ。まさに精神的な不安定さを自覚させられる程にも。
　
　今、アメリカは何が何でも対イラク戦争に踏み出そうとしている。現在行われている国連の査察も、アメリカにしてみれば何かが出てくれば良し、出なくたって｢それはイラクが隠しているからだ｣と戦争に持ち込むための理由にしてしまう。イラクは世界２位の産油国であり、それなのにその政権は決して親米的ではない、この事実こそがアメリカをイラク攻撃へと突き動かす衝動となっている。アメリカはイラクの原油が欲しくてたまらないのであり、そのためにフセイン政権は邪魔でしかたないのだ。「フセイン政権は独裁的であり民主的でない」｢だから武力を持って打倒する｣？　そんなことはイラク民衆が決めることであって、アメリカが手出しする権利などまったく無い。
　しかし、もしもイラク攻撃が開始されたなら、そこで多くのイラク民衆の命が再び奪われることになることはあまりにも明らかである。声高に戦争を叫ぶブッシュの煽動に、イラク民衆が抱かざるを得ない恐怖はいかばかりであろうか？私たちはそれを察するくらいの想像力と感受性は持ち合わせている。｢沖縄戦体験の継承｣とは、まさにそのことではないのか。だからこそ「イラクの民衆を殺すな！」と声をあげるのだ。
　１９９０年代以降、とりわけブッシュ以降のアメリカの傲慢さは眼を覆うものとなっている。たかだか世界人口の４%を占めているに過ぎないアメリカの権益の防衛と拡大だけを問題とし、そのためには何をやってもよいというのだ。残りの９６％の世界中の人々の存在などは、まったく眼中に無いかのようである。それがアメリカの｢国益｣を(しかも支配的階層の権益にすぎないものを)あたかも全世界の利害ででもあるがごとくに押し付けてくる独善さを生んでいる。それがこの地球があたかもアメリカのものででもあるが如くに振舞う傲慢さとして現れている。そしてそのために今、イラクの民衆が殺されようとしている。このようなことが許されていいはずは決して無い。

　このまったく許しがたいイラク攻撃に,今また沖縄基地から米軍が出撃していこうとしている。沖縄から出撃した米兵が沖縄から搬出した武器をもってイラク民衆に襲いかかろうとしているのだ。
沖縄住民は日常的に基地あるがゆえの事件事故などの基地被害を強制されていると同時に、否応なく「加害者」としての位置も強制されている。｢戦争の被害者にも加害者にもならない｣という沖縄反戦反基地闘争の優れた質は、その現実を見据える中から形成されてきた。しかしこの｢加害性｣を抽象的・観念的なものに留めるならば、それは単なる御題目に過ぎない認識運動でしかなくなる。「加害」の向こうにある現実、すなわち攻撃を受けようとしている人々の現実との関係の中に、「加害性」は極めて具体的なものとして措定される必要があるのだ。そしてこのためにこそ、私たちがイラクに行くことの意味はあるのだと考える。

　｢国際的に結合した人民のたたかいだけが、帝国主義の戦争を阻止できる。｣　
沖縄とイラクの民衆の、そして世界中の民衆の共同したたたかいでアメリカのイラク攻撃を止めよう！